涙の宝器~異空間前編



散らかり放題の物置場。


さすがに使ってないだけのことはある。


色んな障害物を掻き分けて奥に進む。


シーンとしているからすぐに気づいた。


音が聞こえるんだ。


何かモーターのような音が微かに……


音はやはり奥の方から聴こえていた。




ふと立ち止まる。



壁だ。



ここから先はただの壁だった。



だが音が止むことはない。



「んっ??」



俺は体を倒して地面に耳を当ててみる。


すると音の波動が伝わってきた。


ここだ!



手で地べたを探った。