涙の宝器~異空間前編



しばらくすると、社員の滝さんがやってきてお店の裏口を開けた。



あの頃と何も変わってなんかいなかった。


俺は覚えていなかったが復帰したのは昨日からだそうだ。



だから時間になるにつれて出勤してくる他の社員もパートのおばちゃんも、誰一人として俺に驚くことはなかった。





何で地元に戻ってきたのか意味が分からなかったが、とりあえず一ヶ月間だけここでお金を貯めて、すぐ東京に戻ろうと密かに企む。




仕事内容も周りの雰囲気も高校時代とあんまり変わっていなかった。



不……思議。