哲章はそう吐きつけてスタート地点へと戻っていった。 スタートまであと1分のカウントが会場全体を大歓声で震わせた。 俺はスタート地点に向かって歩きだした。 もう周りの声など俺には何でもなかった。 俺がいま欲しいのは、スタートを告げるピストルの音だけだ。 歩いている途中、色んな映像が俺の中に流れた。 それは麻衣との様々な思い出たち。 麻衣はいつも笑っていた。 そんな彼女のおかげで生きる希望を手に入れることができた。 この人を天使と言わずに何と言おうか?