『麗へ
いきなり大事な話って言って驚かせてごめん。
だけど、このまま麗に嘘をついてることなんて
俺にはできそうにないから言います。
ごめん。
麗に告白した時、前から好きだったって言ったじゃん?
実は、嘘なんだ。
麗のこと、好きじゃなかった。
ただ、章平に頼まれたから麗に告白したんだ。
俺の友達で麗に告白した奴がいたから
麗が振る時に言う言葉は知ってた。
だから、それでも付き合おうって強引に話を進めたんだ。
本当にごめんな。
章平には、麗が誰かを
好きになれるようになったら別れていいからって言われた。
だけど、章平が先週
「やっぱり麗のこと諦められない。
無理に付き合わなくてもいい」
って言ってきたんだ。
正直、俺は、その時には
本当に麗のことが好きになっていたんだ。
けど、章平が麗を振った本当の理由を話したら
麗は、章平を取るかもしれないと思って言えなかった。
だけどな、麗の笑顔を見ていたら
麗の幸せを考えようって思ったんだ。
今から章平が麗を振った本当の理由を話します。
この理由を聞いて、章平の方が好きだと感じたら
俺に遠慮しないで欲しい。
章平のお父さんが社長をしているのは、知っているよね?
麗と章平が別れた時、実は、章平のお父さんの会社は、経営があぶない状況だったんだ。
その時、章平のお父さんの会社を助けるって言い出した会社があったんだ。
だけど、条件つきでその条件は、
章平とその会社の娘を結婚させることだったんだ。
章平は、もちろん拒否した。
だけど、頼み込む父親を見ていたら断りきれなかったそうだ。
だから、できるだけ早く、
麗に忘れられるようにあんなふうに振ったんだ。
だけど、やっぱり麗が好きで、
思い切って結婚相手の人に好きな人がいるって言ったら
「私も本当は、好きな人がいるの。
お父さんには、私から上手く言って
婚約は、取り消してもらう。
安心してください。
お金の方は私から婚約破棄するんだからなんとかなるわ」
と言ってくれて会社は、問題ないそうだ。
だから、章平は、あのときからずっと麗のことが好きなんだ。

どっちを選んでも構わない。

俺は、麗の幸せを応援したいから』