桜の咲く頃 ~君に~



観客に目をやるとあたしと水野のリズムに合わせて同じように体を揺らしてる。


この一体感がクセになる。


曲が終わると一斉に歓声があがる。


そこで水野とハイタッチ


流れで自然に抱き合う。


「ほら、いちゃつくなバカ。」


名瀬が長い指であたしのオデコをはじいた。


マイクを通してるせいで一気に注目を浴びる。


今日はそんなのも全然気にならない。


「いっ・・・たぁ」


「いいじゃんねぇ~」


テンションがあがりすぎて


ヒャーヒャー笑ってる水野にも1発


あたしからも1発


「え?!ちょ、ソノちゃんも同罪でしょ?!」


そりゃそうだ。


だけどちょっとノリで


会場が笑い声で包まれる。