「それじゃあね」 「ありがとう、楽しかった」 私はそれだけ言い残して 早々とホテルの部屋を出た。 彼はスタスタと出ていく私を なんてことない不思議そうな瞳で 見つめていた。 ザザァ――――― 「・・・・・ハァ――――...」 私はそのあと 雨の降りしきる街へ出かけた。 やみそうにない雨の気配を感じ、 雨宿りがてら近くのコンビニで タバコをくわえる。 吐き出した白い煙は シュワ............と、 雨によってかき消された。 「.................」