亡命酸欠少女



「ん?.....」


「ごめんな、しばらく戻れなくって」


そう言う電話の向こうの彼。

ザー---........


電話からは
雨の音が彼の声の背景に聞こえた。


「い、今そっちも雨なの?」



私は平気なフリをして
話をそらす。

だってその話を聞くと
今にも泣きだしてしまいそうで。



彼がいない現実が
よりリアルになってしまうから.....