次の日。

今日は休みだ。
そして…明日からは高校生になる。
私は大きなため息をついた。
私以外全員男子なんて…。友達なんて、できないよ。

コンコンッ

「果鈴、入るわよ」
「はーい」

返事をすると、お母さんが入ってきた。

「如月学園の制服と生徒手帳が届いたわよ。今まで男子ばかりだったから、特注でつくってもらったから。」

ベットの上に制服をおくと、お母さんは部屋をでていった。
特注か…どんな制服だろう?

「あ…かわいい」

すごくかわいい!!制服がかわいいと人気がある高校の制服なんかより、ずっとかわいい。
ブレザーで、スカートは結構短い。このスカート…ギリギリじゃないか?まぁかわいいからいいか…。

制服をおき、生徒手帳をみた。大きく「生徒手帳」と書かれた下に、小さく「女」と書かれている。
きっとこれを持っているのは私だけだ。
パラパラと開くと、普通の高校ではあり得ないことばかり書かれていた。


何をしても、何を持ってきても自由。
授業はサボっても大丈夫―


すごい校則だ。
まぁ楽そうでいいが…。

それらを見終わると、暇になった。外にでも出掛けるか。



玄関から外にでると、さっき見たばかりの制服の男子バージョンを着た人が、自転車で通りすぎていった。

如月学園の人だ。明るい茶髪。

その人は、家の前に何かを落としたことに気づかず、そのまま走り去っていった。


「あ…あの!!」

叫んだけど、遅かった。
拾ってみると、生徒手帳だ。こんなもの…落としていいのか?
開けてみると、1ページ目に名前が書いてあった。

「北神…祐…」

きたがみゆう。
1年3組らしい。

まぁ、明日、会えたら渡そう。

そう思ってズボンのポケットにいれた。