屋上から一階まで一気にかけおりると、さすがに喉がかわいた。

校内の自動販売機にかけより、いつものようにいちご牛乳を買う。
このいちご牛乳も、屋上のベンチと同じくらい好きなものだ。
卒業したから、もう飲めなくなると思うと…少し寂しい。

いちご牛乳にストローをさしていると、ヒソヒソと声が聞こえてきた。

「あの人だよ…櫻井さん」
「話しかけてみる?」
「えぇ~どうしよう?」
「てかあんな人同級生にいたっけ?」

影が薄くて悪かったな。
いちご牛乳を飲みながら、心の中で言い返す。

「あのぉ…櫻井さんですか?」

話しかけてきた。顔を見たが、誰か分からない。まぁ、休み時間に一回見たような気も…まぁいいか。

「…そうですけど…」

答えると、女の子達がキャーという声をあげて一言、

「すごいですね!!がんばってください!!」

と言って廊下を走っていった。
何なんだろ…。



校庭にでると、屋上から見ていた時より多くの生徒が泣いていた。
みんな、中学校に未練かなにかあるのか。
もう、帰ろうかな…


まわりを見渡すと、掲示板に新しい高校の紹介が張り出されていた。
近寄ってみたけど、如月学園の紹介はない…

「…あ。」

あった。一番目立たない、端のほうに。


如月学園(きらさぎがくえん)

元男子校ですが、去年から共学になりました。女子も歓迎いたします。共学になったにも関わらず、今現在女子が一人しか入っていません…


「え…」
如月学園って元男子高なの?女子が一人しかいない…その一人って…

「私!!?」

思わず声をあげてしまった。
まわりが男子ばっかり!?嫌だ!!

「そんなぁ…」

私…高校生活どうなっちゃうの?