美優がゆっくり顔を上げる。 その頬には涙があったけど、その顔は驚いていて・・・。 「・・・ホントだ」 蓮を見上げてつぶやく。 ほんの少し、顔を動かしたらキスできる距離。 蓮はその衝動に駆られながら、懸命に理性を保つ。 そして笑う。 「な?」 うまく笑顔が作れたかは分からないけど。 「うん」 美優が笑う。 いつもの笑顔で。