そこに続く廊下には人はまばらだった。 その扉の前に立ったとき、周りにはもう誰もいない。 美優は乱暴にそのドアを開けた。 肩で息をする美優の呼吸音が室内に響く。 ゆっくりと前に進む。 何千とある本の間を歩く。 瞬間、 後ろから手が伸び、 美優の口を塞ぎ、 抱きしめる。 黒髪が揺れ、美優は本と本の間に消えた。 「静かに」