――なんだか怪しい…。
(そんな三神を物陰から見ている俺も十分怪しいが)




「三神」


俺は、意を決して三神に声をかけた。


三神は静かに俺の方へと体を向けた。



「………」



相変わらず、返事はないけど。


「三神、グラウンドに何かあんのか?」


「…?」


微かに、首を傾げた。


「いや…よくグラウンド見てるからさ……。

部活でも迷ってんの?」


もうすぐ、部活を決める時期。



まさか三神が運動部に入るとも思えないけど、一応聞いてみる。



まあ、予想通り三神は首を横に振った。