人のいない空間に、俺の声はよく響いた。 「……またですか」 だっ、と俺は三神の前で立ちふさがった。 ―――俺の背にいる人間の…『幸せ』を守るため。 「…もう、いい加減にしてください」 「そういう訳にはいかねえ。 …これ以上、三神を不幸にはできない」 鎌を振り上げた恰好のまま、停止している三神。 その前で、両腕を広げて立っている俺。 傍から見れば、危ないが…俺に危険はない。