もう一押しか。 「全て聞いたら、記憶を消してくれていい! 頼む、いいだろ!?」 「――…いいでしょう、わかりました」 三神は、渋々といった表情で頷いた。 「おや、珍しいね。紬が人間の頼みを聞き入れるなんてさ」 町田が驚いたような声をあげる。 「…ただし、聞いた後は確実に記憶を刈ります。 ――いいですね…?」 俺は力強く、頷いた。