町田と言われた男は、了解、と軽く笑って―― 小さなナイフを袖口から出した。 「じゃ、じっとしててね。 動いちゃうと、余計な記憶まで刈っちゃうから」 何も説明されずに、いきなり胸のあたりに近づけられる。 「ぅわっ…!ちょ、三神!! 説明しろよ!どうせ、記憶を消されるんだろ!? だったらいいじゃねえか!!」 町田のナイフをよけつつ、叫んでみる。 案の定、三神は迷ってくれているようだった。