しばらくして西谷くんは、人がひとり入れるぐらいまでに近づき足を止めた。 西谷くんを見ると、あのときのできごとを思い出す。 美貴の言葉や表情を思い出す。 もう思い出したくないよ。 そんなわたしの思いを知らない西谷くんは、《久しぶりだな》とかって話し始める。