ミーン、ミーン、、、
蝉の声が聞こえる。
短い命の蝉は、一生をどうやって過ごすんだろう。
満足する人生なのだろうか。
今日は珍しく、恭ちゃんの部屋に行かず、自分の部屋で窓からボーッと顔を出していた。
珍しく考え事をしていたのだ。
初めて話したクラスメート、皐月くんのコトを。
自分でもビックリした。
今までどんなに優しく話し掛けられても、長い間ずーっと話し掛けてくれた人すらうまく会話すら出来なかった自分が、たったの何時間かで、こうも簡単に会話が成り立つなんて。
夢のよう。
どうして皐月くんなら会話が成り立ったのだろう…。
推理小説にはまっているあたしでも、きっと江戸川コ●ンさえ説き明かすことは出来ないだろう。

