幸せが欲しい


歩いて来た人の顔を見た瞬間

「先生?」

「柚山?」


そこには黒いジャージを着た先生がいた。


「柚山、ここで何してるんだ?」

先生は不思議そうな顔で私を見る。


「部屋にいられなくなっちゃって…」

ヘヘヘと暗くならない様に笑った。


「そうか…」

先生は何かを察したのかそれ以上何も言わなかった。


「あっちに行ったら海が見えるぞ。行ってみるか?」

「はい」