「他は誰も怪我してないな?」



そう確認する達川先生は、なぜか私に視線を送っていた。



「あ、はい…」



私はそう返事をしたけど、心の中では佳祐のことが心配で仕方がなかった。



赤く染まった佳祐の頬。



きっと、かなり痛かったと思う。



私は佳祐が出ていった教室のドアを見つめながら、ため息をついた……。