「あぁ、お母さんの携帯をこっそり借りたのよ。
ちゃんと送信ボックスは消したし」



桜はくるっと方向転換して、私に背を向けた。



「…じゃ、また明日ね!!

菜摘ぃ♪」



桜は振り返り、満面の笑みを残して去っていった。



なんであんな笑顔だったんだ…



まあいっか。



ってかなんで桜、私と佳祐がいとこって知ってるのに、特別な存在みたいな言い方したんだろう。



もしかして、桜は全部気づいていたのかもしれないな。