私は新二のこと好きじゃないって、ちゃんと桜に伝えなくちゃ。



大切な友達を失いたくない。



私は急いで桜の後を追った。



どこに行ったの!?



廊下の角を曲がり、階段を駆け下りた。



「桜!?」



私は必死に桜の名前を呼んだ。



たとえ聞こえていても、返事をしてくれないのはわかってる。



でも、知らせたいんだ。



私が桜を探してここにいるって。




「桜ー!どこにいるの!?」


「桜桜うっさいわね」



突如、ドスのきいた低い声が聞こえた。