でも、隣の男子から腕を掴まれ引き止められた。



「ちょ、何すん…」



私はその手を振り払おうとした。



けれど、その男子の真剣な瞳を見た瞬間、言葉を失ってしまった。



「…佳祐と、付き合ってんの?」



突き刺さるような眼差しが、周りから向けられる。



きっと、この男子のファンの子からの視線だろう。



…でも、それだけじゃなかったんだ。



このとき、無理にでもこの手を振り払っていれば、



あんなことには、
ならなかったのかな…?