『じゃ、またね大橋さん』


そう言って無愛想に保健室を出ていった宏樹さんの温もりが、まだ保健室の中に残っていた。



佳祐とはお互いに沈黙状態。



聞きたいことはたくさんあるけど、今の佳祐の険しい表情を見てると言葉を発するのを躊躇ってしまう。



『コイツ、俺のなんで』



そう言って私の肩を抱きしめた佳祐の温もりも、まだ私の身体にはっきりと残っている。



佳祐に触られてたところが熱い…。



そこだけ熱を帯びたように。



てか宏樹さん、無愛想だけど優しそうな人だったなぁ。