真っ直ぐ歩いた先に人の頭くらいの大きさで、つまみの付いた蓋付きの陶器がお釜の隣に置かれています。

その陶器の前に両手に持っていた道具を置くとまた敷居の向こうへゆっくりと、静かに戻って行きます。そして敷居より向こう側に着くと振り向いて正座をして、敷居と自分の膝の間に扇子を置きました。

膝前に軽く両手の指先で手を着くと、またしてもあの爽やかなスマイルが。


「今日は茶道部への見学ありがとうございます。本日お点前をさせて頂きます日向 八束です。まだまだ及ばない所もありますが、精一杯お点前をさせて頂きます。では…。」