ガチャンと小さな音が鍵が外された事を知らせます。

引き戸式の扉を開けると部室内の畳の香りがほんわりと香ってきました。

襖(ふすま)もあって外観同様、中も和風。しっかり造られていて驚きです。

入口から入って右奥には戸棚がいくつか置いてあって、中には茶碗や他の道具が収納されていますね。

反対に左奥にあるのは…お釜…ですかね?何だか変わった形…ハニワをもう少し丸くしたみたいです。

何にせよ私が想像してたのよりずっと本格的。


「今日お点前する事になってる2年の日向 八束(ヒナタ ヤツカ)です。よろしくお願いします。」

しばらく部室の中を眺めていると頃合いを見計らったかのように先輩が自己紹介。

笑顔が爽やか過ぎるっ…。
私におすそ分けしてして貰いたいです、その技術。


「あたしは6組の沖田 諒です。で、こっちが…。」

「同じく6組の篠塚 あさかです!きょ、今日はよろしゅうお願いします!」


思いっ切り頭下げた後に気がついたのですが…。

私、今噛んだ揚げ句にエセ関西弁にも満たない関西弁(らしきもの)を使っちゃいましたよね…?

頭を上げづらいです…。