茶筅で素早く掻き混ぜ、出された鮮やかな緑色のお茶の上には、それよりも色の薄いきめ細かい泡がふんわりと乗っています。うん、味も美味しいです。 もう一口飲もうとした時、両手を膝の上に置いて私が飲み終わるのを待っていた八束先輩が「あっ」と小さく声をあげると「本当はお点前をする人は出歩いたりしないんだけど、ちょっとゴメンね。」と言いながら開いている襖の向こうへ行ってしまいました。 一体どうしたのでしょう?