濡れた体温ごと奪って



お前は部屋へ上がるなり風呂場へ入って行った。


いつまで風呂使うつもりなんだろうか。


当分はここで入りそうだな。


まぁ、俺は構わねぇけど。




「き、きやあぁぁっ!!」




洗面所から叫び声が聞こえる。


声が響いてねぇって事はまだ浴室じゃねぇな。


今度はなんだよ。




「入るぞ。どうし……―――」


「むむ、虫っ!!虫っ!!」




…おい…下着姿かよ…。


バスタオルで隠してるつもりだろうが、後ろ見えてんぞ。


………ん?


俺は紗耶の姿より虫より何よりも…背中から視線を放せずにいた…。