濡れた体温ごと奪って



翔ちゃんの優しい所は…全然変わってないんだね。


いつもそうだった。


どれだけ喧嘩しても…私が酷い事を言っても…一人にされた事はなかった。


どれだけ翔ちゃんが怒ってても無言のまま手を引いて一緒に帰ってくれたりしてた。


そんな所は昔と全然変わってないんだね。


私の知ってる翔ちゃんが居て…凄く嬉しい。




「座ってろ」


「…うん」




リビングのソファーへ座ると、翔ちゃんはキッチンへと入って行った。