濡れた体温ごと奪って



「悪い。…悪乗りし過ぎたな」


「…ち、ちが……これは…」




震えが治まらない。


私が震えてるのは…中学の時に…起きた事が原因で…それを思い出して…。


翔ちゃんが…怖いって思うのは、そのせいで…。




「どの道俺は酷い事したからな…ごめんな」


「…ううん」




重苦しい空気が漂う中、翔ちゃんは立ち上がり私の手を握ると一緒に寝室を後にした。


繋がれた手が…熱い。