濡れた体温ごと奪って



「もう遅いし帰るぞ」


「うん」




翔ちゃんと並んで歩く私の鼓動は高鳴ったまま落ち着く事はなく、翔ちゃんの横顔を見上げた。


昔っから翔ちゃんは背が高かったけど…六年前に比べてまた一段と高くなった気がする。


それに、顔はどっちかって言うと翔ちゃんママ似だけど雰囲気とか声はパパに似てる。




「翔ちゃん。ママにもパパにも似てるんだね」


「お前は今だに、ママ、パパ呼んでんのか」




翔ちゃんは呆れた様子で歩きながら横目で私を見下ろす。