濡れた体温ごと奪って



私は勢いよくガバッと翔ちゃんへと抱き着いた。


私なら…大丈夫。


寂しくないって言ったら嘘になるけど…こんなにも翔ちゃんに想われてるんだもん。


私も頑張らなきゃ。


いつまでも寂しいなんて言ってちゃダメだよね…。


寂しいのは、私だけじゃない…翔ちゃんだって寂しいんだから…。


知らない土地で仕事しなきゃいけないのは、翔ちゃんなんだから。


私は笑顔で見送ろう。


私の笑顔を翔ちゃんに覚えておいて貰うんだ。