濡れた体温ごと奪って



「お仕事…大丈夫かな。翔ちゃん、病院行く?」


「大丈夫だって言ってんだろが。素人の暴力なんざあんまりきかねぇからな」


「……翔ちゃん…」


「それより紗耶。お前のが怖かっただろ。怖い思いさせて…ごめんな」




翔ちゃんはハンドルを握っていない方の手で私の手をそっと握った。


私なら大丈夫。


翔ちゃんが助けに来てくれた時凄くホッとして、もう大丈夫って思ったんだよ。