濡れた体温ごと奪って



「内臓へのダメージは最小限で抑えられたし、どうって事ねぇよ」


「…よかった…翔ちゃん…本当に…よかっ…っ…」


「また泣く。ったく、紗耶は涙脆くなったな」




翔ちゃんは笑いながら、私の頭をワシャワシャと乱暴に撫でる。


だって…あの時は本当に怖かったんだもん…。


翔ちゃんが殴られてるのを見た時…凄く怖くて…頭が真っ白になったんだよ…。


…無事で本当によかった。