濡れた体温ごと奪って



「す、凄ーいっ!!紗耶、凄いよっ!!全然現役でもいけるんじゃない?!」


「そんな事ないよ。偶然だよ偶然。バットありがとう。凄くスッキリしたー」


「ねぇ、どうしてソフトボール辞めちゃったの?もうやらないの?」


「私、中学の時から今まで三回も転校したんだ。だからかな、中途半端になるならやらないでおこうって決めたの」


「そっか。色々あるんだね」




私達は暫く楽しんだ後、帰りにファミレスでご飯を食べて解散した。


…転校か。


ファミレスからの帰り道、真っ暗な夜道を一人歩きながら中学時代の記憶が蘇ってきた。