濡れた体温ごと奪って



人の心は簡単に変わる事じゃないって事は…わかってる。


わかってるけど…あまりにも…残酷すぎる…。


どうして、こんな気持ちにばかり…ならなきゃいけないの…。


…やっぱり苦しいよ。




私はお腹空いてた事さえ忘れてしまう程、無我夢中で歩き続けた。


暫く歩いていると道路を挟んだ反対側の居酒屋の前で男女数人で話してる姿が視界に入る。


その中に…翔ちゃんがいた。


間違いない。


私が翔ちゃんを間違える筈ないもん。


翔ちゃん…ここで飲み会だったんだね…。