濡れた体温ごと奪って



「…うぅ……っ…」




泣きじゃくる紗耶を見てこのままじゃいけないって思った。


お前は母親の事を思って助けも求めず必死に耐えて来たのにな。


そんな事もわからねぇのか。


唯一の一人娘も大切に出来ねぇなら…母親失格だな。




「紗耶。一緒に暮らそうか」


「…っ……翔ちゃっ……ヒクッ…」


「まあ、強制だがな」




母親の元でまたお前が傷付くのを見たくねぇんだ…。