濡れた体温ごと奪って



私、そう言えばお母さんの事あんまり知らないや。


ただ知ってるのは…母親の顔と言うよりも、女の顔の方が印象深い。


もちろん父親の事も知らない。


昔一度だけ聞いた事あっけど…話しを逸らされて教えて貰えなかった。


…ダメだ。


せっかく翔ちゃんの家にいるのに私…余計な事考えちゃったら落ち込んじゃう。




「ねぇ紗耶。なんだか私には空元気に見えるんだけど…何かあったの?」




ママは私の心情を見抜いたのかソファーへ腰を降ろすと優しく問い掛けてくれた。