沸き上がる歓声。 やっぱり、この速さは反則だ。 バトンを受け取った後、紫波は直ぐに前を走る選手を追い越し、今はほぼ独走状態だ。 私はというと、既に走り終えていて息も整ったにも関わらず、ただ呆然と立ち尽くしていた。 紫波の触っていた手が熱い。 鼓動が速い。 そんな笑顔を見せてほしくなかった。 まだ、このままでいたかった。 だって、もう気付いちゃったから。 紫波が、好き。