「-------………ふぅ…、……成功…かな…?」



土煙もようやく収まり、爆破場所へと戻り校舎を見上げる。


「市販の打ち上げ花火を分解してちょちょいと弄っただけで本当に成功するなんて、流石先輩だよね…」


自分の彼氏が末恐ろしいです。



……というより、明君上手くいったかな?

キザったらしいっていうか、○○レンジャーの影響を受け過ぎっていうか、無駄に行動力があるっていうか…

多分今まで彼女とか居なかったろうなぁ…。


まぁ私も人の事言えないけど。



「壽吏はもう独りぼっちじゃないんだね…」



-私が居なくても、



私、少しは壽吏にとって大切な存在になれたかな…?


ずっと壽吏の自由を奪ってた。


壽吏を私に縛り付けててごめんね。



もう、大事な人が出来たんだね。


ちょっと淋しいけど、壽吏が幸せだったら私は嬉しいよ…。



気付いてくれた?


あなたには私がいるし翼君もいる。


ちょっと遠いけど、優しい家族もいる。



……何より、明君がいる。





ねぇ壽吏。


あなたは自分の運命を恨んで、割り切ったと諦めていたけれど、あなたはそれなりに辛い境遇にいたけれど、その分幸せも沢山あったんだよ。

あなたがそれから目を逸らしていただけ。


あなたは誰からも愛される、幸せな人間なんだよ。





……ここばかりは明君に感謝しなきゃね…。







「……---どこだ!?こっちか!!」