想い、果てるまで











まるでこのタイミングに合わせてくれたかのように、私達の間にひと吹きの春風が通り抜ける。

音も立てずに、その場の空気をさらに清々しく、一掃してくれたかのような、そんな感じだ。



だから、私もそれに応えよう。


紡ぎ出そう。

今まで決して口にすることの無かった、
私だけの真実を全て。


私の口から、
誰の為でもなく、私自身の為に。













---……私は、生を受けた瞬間から独りだった。」



私の繰り出す言葉を、中条が、教室が、空気が静かに聞き入れてくれる。


今だけは、この時間だけは私に譲ってくれるそうだ。





「私の両親はね、ちょっとした有名人。父は若い頃に自ら立ち上げた企業が成功し、今では大企業とまで化したそれのトップとして今もなお君臨しています。

母はどこぞの有名な家元のお嬢さまだったらしいんだけどね、相当の切れ者らしく、自ら家をでて自分を必要としている会社を回っていたらしいの。決して一つの場所に留まる事はせず、ある程度の名を轟かせてから母もまた自分で何かを立ち上げたかったんだって。

それで、その幾つか先の会社が父の会社となった時、2人は運命の出逢いを果たしましたとさ。」



いつの日か、母から聞かせてもらった彼女たちの生い立ち。


まさか自分が語り手になる番が来るなんて考えてもいなかった。