「---な、何よ…」 「………」 紫波はソファーから立ち上がり、こちらへゆっくりと歩み寄ってくる。 ついには壁に追い込まれてしまった。 --近っ! 「お前が好きなのは俺だろ?」 「は?だから……!」 紫波にぐっと手首を掴まれ、壁に押し付けられる。 「お前はまだ俺が好きだよ」 息が掛かるくらいの距離で、顔が熱くなる。 紫波の澄んだ瞳に吸い込まれそうで、私は思わず目を反らす。 「目を反らすなよ。こっち向けよ」 「……う、うるさい!」