何分か沈黙を保った後、紫波が重い口を開いた。 「壽吏」 「……何?」 いつになく深刻な雰囲気だから、緊張して背中に冷や汗が流れる。 こういう展開は予想していなかった。 いや、本当は期待していたのかもしれない。 次の言葉に、全神経を注ぎ込む。 本当に、私が望んでいるような、私が想像しているようなものなのか。