不意に腕を掴まれた。


『え?』


『俺と付き合うんだから、条件をつけなきゃね?』


――・・・そのまま腕を振り払って
逃げればよかったのに。


『その一、俺がどんな子といても割り込まない事。

その二、俺の言う事を聞く事。・・・いいね?』



あまりにもいきなりすぎて

首を縦に振るしかなかった。


――――――――――――――・・・


『瑞穂、お茶買って来て?』


最初の頃は聖君に話しかけられるのが嬉しくて、

『うん!』元気よく指示通りに動いていた。


だけど、だんだん命令は

エスカレートしてきて、

最近では『ウザイ、寄るな。』と酷い事まで言われてきた。