「なんでもないよ」
笑ってしまう。そんな紳士的な彼氏より、友達の男のほうが大切なんて。
『ごめんなさい先輩。わたしは先輩よりユウのほうが大切なんです』
わたしは、極上紳士より、この心配性で世話焼きでお節介で、不器用なユウが1番なんだと思う。
大切で好きすぎて、ユウなしではいられない気だってする。
これが散々ユウに甘やかされてきた結果。
「さて、夕飯でも作るか、」
「今日は、麻婆豆腐食べたい」
「‥はいはい、」
「ついでに泊まってく」
「はいは‥、はあぁあ!?」
「大丈夫。服も下着も持ってきたし」
「いやいや、そういう問題じゃ‥!」
「(何故、顔を赤くする?)」
急に顔を赤くし、ため息を吐きながらキッチンに向かって行くユウを見ていると、ふと思い、あっ!と声を出した、
「ユウ、」
「なぁサラ、」
二人の声がかぶって、

