後ろからは夏が「今日は夏とデートやのに〜亮太の馬鹿やろ〜〜」と、叫んでいる。
人気の少ないベンチの前に着き、亮太はやっと手を離してくれた。
嬉しかったけど、亮太の行動にドキドキしすぎてどうにかなっちゃいそうだった。
亮太は先にベンチに座り、横をポンポンと叩いた。
「ありがとう」私も亮太の横に座る。
「やっと二人になれた」亮太が優しい声で言った。
そしてもう一度呟いた。「あかん、緊張する…」亮太がしたを向きながらぼやいた。
「亮太…」
亮太…こんな私でも緊張してくれてたんだね。
嬉しかったよ?
「愛海も緊張してる」私は亮太を励ますように言った。
大丈夫、同じ気持ちだから。


