日曜日の夜。プルプル家に一件の電話がかかってきた。たまたま、出たのが私だった。

「はい、市川ですけど。」
『高橋です。愛海さんいますか?』

「亮太…」
『愛海?俺やけど。ごめん、誰か忘れたけど愛海の友達に家の電話番号聞いた』

「うん…」嬉しいのと同時に一昨日の出来事が蘇って申し訳ない気持ちになる。

『一昨日のことやけど。俺、全然怒ってないからな?植田があの後走ってきてくれて、愛海泣いてたって聞いて。

愛海が気、遣って走って帰ったんやろーなって分かってたし。俺も送ったれーってからかわれるの全然嫌じゃないで?』

「え?」私の頭ははてなマークでいっぱいだった。

『だってからかわれるのも付き合ってる俺らの特権やろ?

それに普通に愛海に会った瞬間送ろうかなって思っててん!だから本間に怒ってないからな?』電話越しに聞こえる亮太の優しい声。

「うん…亮太、ありがとう。」
『ん。分かってくれたならよし。明日、笑顔で学校来てください。』

「分かった、ありがとう」『じゃあ、それだけ!バイバイ』亮太。心配してくれてたんやね。わざわざ私の家の電話番号みんなに聞いてくれたんや。それだけで十分嬉しくて胸がドキドキした。