「ちょっと待って、歩けるから」
「歩けない。」
「歩け…」
「「「キャーーーーー!!」」」
自転車置き場から出たところで
女の子の大歓声。
「…うるせぇ。」
直樹の眉間にしわが寄る
女の子の大群の中を
怯むことなく進んでいく直樹さん。
…その根性…ある意味羨ましいっす…
「…またあの女かよ」
その時、誰かが言ったことが聞こえた
「うわー…幼馴染だからって
うちらの直樹君にくっつかないでよ」
直樹に向ける言葉とは違う、
冷たく、鋭い言葉
あたしは胸の中になにか悲しいものが
込み上げてきて咄嗟に
直樹の首にしがみついた

