後ろからは、郁弥君のファンらしき人たちが
悲鳴をあげている。
でも、あたしはお構いなしに走った。
ついた先は理科室。
はあ、はあ…っ、はあ…
しんどっ!
「絢音先輩…大丈夫ですか?」
「うん…、やっぱりサッカーやってる
郁弥君とはちがうなあ…っ
あたし、すぐ疲れる…へへっ」
「………っ〃〃
…!!絢音先輩、話ってなんですか?」
「話…」
っていうても、今めっちゃ普通に
郁弥君にしゃべりかけてたやん!あたし!!
「話…は、あの、郁弥君…最近
あたしにあんまり、しゃべってくれてない
気がして、あたしはしゃべりたいんやけど、
前は郁弥君からもしゃべりかけて
くれてたから……だから…あの、」
「絢音先輩、おれとしゃべりたいって
思ってくれてたんですか?(笑)」
「……うん。秀斗先輩達があたしの家に
来てくれた次の日から…
あんまり、しゃべってないなあ…って」
「……………っ、」
ぎゅっ…。
