「おはよ…、今から郁弥君に膝掛け
かけてあげようと思って…」
「すいません、びっくりしましたよね。
階段のぼっていく音したから
それで起きたんです。」
「そっか…、起こしてごめんな。」
「いや、気遣ってくれてありがとう。」
「へへ…、あ、どうする?
あたし、起きとくけど。
まだこんな時間やし、郁弥君寝る?」
「いや、おれも起きます。」
「そっか。あ、学校どうしよー。
熱はまだあるしな…」
「え?今日は休みですよ?」
……………………え?
「今日は平日…」
「今日は南高校の創立記念日なんですよ?」
「ホンマ?」
「はい。」
笑顔で郁弥君は答えた。
「じゃあ、もっかい寝よう…
やった!!2度寝や♪」
休みやから2度寝できる♪
うれし〜!!
あ、郁弥君はどうするんやろ?
やっぱり起きるんかな?
こんな朝早くに帰るわけないよな。
お礼も言ってないし。
まあ、ゆっくりしといてもらおう。
「郁弥君、あたしは寝るけど
ゆっくりしてて。
あと、昨日はいろいろありがとう。」
