「じゃあ、帰りますよ。」
「………………はい」
――――
ガタン…ゴトン…ガタン…
電車の中はすいていて、すぐに座れた。
外は夕日ですっかりオレンジ色。
でも、あたしは段々気分が悪くて
オレンジ色の空を見る力はない。
頭もイタいし。
こりゃ、熱があるのは確実や。
「絢音先輩、家帰ったら絶対
熱はかって下さいね。」
「うん…」
「後もうちょっとやからがんばってください。」
「うん…ありがとう」
しばらくすると、
駅につき、また郁弥君におぶられて、
あたしの家についた。
「ありがとうな、郁弥君。」
「いえ、お大事に。」
「じゃあ、」
クラっ
あれ?目の前が、なんか変なんやけど…
「絢音先輩!?」
あたしは、その場で倒れかけた。
「ごめん。めまいが…」
「………………おれ、家はいっていいっすか?」
「…えっ!?」
「こんなんで、ほっとかれへんし」
うそ…
